街は生きている、長い目で見るとその気持ちが強くなります。10年前はそれほど人気のなかった場所も、駅が1つ出来ただけで高級住宅街になったり、人気チェーン店が出店しただけで行列のできる一大ショッピングタウンになったり。
こうした手法や流行はやはり東京がその発端となることが多いです。最近行われた中古ビルのリノベーションでは、隅田川沿いという立地を生かしてその用途をホテルへと変身させました。
東京ではそれこそ至る所にオフィスビルがあります。それほど規模の大きくない中低層のオフィスビルが競合するには厳しい場所です。通常の発想なら思い切った設備投資や、賃料の値下げに活路を見出すところですが、立地に活路を見出してホテルへリノベーションしたのは正解だと思います。
意外に思われるかもしれませんが、東京で隅田川を臨めるホテルというのはあまり多くはありません。川沿いの多くは分譲マンションやオフィスビルとのこと。実際、分譲・中古マンションの宣伝文句に「隅田川の花火大会が見える!!」はよく使われているそうです。そういうエリアに眺望を売りにしたホテルが登場、人気を集めそうなのは間違いないでしょう。
さて岐阜県では「清流の国」を掲げています。通常、分譲マンションというのは駅に近いところに建築されるのですが、県庁所在地である岐阜市では長良川沿いに結構な数の分譲マンションが建築されています。車社会だからという理由もありますが、年に2回行われる花火大会(岐阜新聞と中日新聞がそれぞれ主催)に因るところが大きいのも事実です。
岐阜市では東京と違って長良川沿いに多くの宿泊施設がありますが、今後先ほどの事例に倣ったリノベーションが行われるかもしれませんね。恵那市でも木曽川沿いの民家を宿泊施設にする、そんな事例がありそうです。